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2019/04/14

苗の種類

 初めてバラの苗を購入するとき分かりづらかったので表にしました。


 大手専門店の販売する苗は基本的に芽接ぎ苗です。これはおそらくパテントの関係で制約があるからだと思います。挿し木苗を認めると個人が勝手に増殖させてオークションで販売しても見分けがつきません。芽接ぎにはある程度技術が要りますし、スペースや台木その他の手間がかかり一般の人が気軽にできないのでプロの出番になるわけです。

【芽接ぎ苗】
  新苗(鉢) 台木に接ぎたて初年度の春~夏に出回る若い苗
  中苗(鉢) 新苗の売れ残りを中心に秋に出回る苗(基本的に見かけない)
  大苗(鉢) 中苗の売れ残りで次の春に1年を超える苗 10月頃ある大苗は大体これ
  大苗(掘り上げ→鉢) 接いだ後、畑で管理し、年末頃から掘り上げて販売する苗 2月が適期だが繁忙期のせいか年末から3月まで広く扱う 

  長尺苗   あえて短く剪定せず長さを保った苗(秋ごろ出回る)
  裸苗    掘り上げの大苗の土のついていない状態のもの
        鉢や土がつかないため安価で輸送のメリットがある
        *根を確認しやすいので癌腫が気になる購入者に好まれる

【挿し木苗】  生育のよい枝先から挿し穂を作り、自根を出させた苗

 苗については私の主観による分類です。よく中苗をセールするのは「バラの家」で、価格の下げ幅に応じた苗のコンディションになります。蕾つき苗を売りにしたセールも行うので、売れ残りになると消耗した株で届く可能性もあります(それでワゴンセールになるんだと思います)。

 前年の売れ残り大苗(鉢)は、ナーセリーではないホームセンターや流通先の販売店に多いです。ネットの販路を持っていないので店頭セールで売れ残るとそのまま切り戻して大苗として並びます。掘り上げの大苗も売れ残ると2年生苗、3年生苗として年を重ねる可能性があります。

 一方で、ミニバラなどは挿し木苗が流通します。多くがピートモスを主とした土で安価に出回り、個人的には長期栽培を想定しない一時的贈答品として流通しているように思います。園芸初心者にとってミニバラは難易度の高い商品でしょう。環境にうまく適応しないと病気にかかりやすく、害虫被害にも遭いやすいです。

 その軟弱さを補うために、挿し木で販売するようなミニバラでも芽接ぎ苗を生産することがあります。台木の体力があるので早く大きく育ちます。生産者にとっても芽接ぎ苗はいいことだらけで、台木を用意してしまえば(数センチの芽を接ぐだけなので)量産できます。管理が楽で見ばえもいいので価格設定も高くできます。数芽分の挿し穂を1株分に確保するより芽を複数取って接ぐ方が利益も出やすいですね。

 ただ、芽接ぎ苗にはデメリットもあります。
   ・挿し木苗に比べて癌腫になりやすい(台木の脆弱性)
   ・接ぎ口から折れると再起不能(強風)
   ・接ぎ口より下に虫が入ると再起不能
   ・ベーサルシュートが出にくい(乾燥)
   ・品種によっては仕立てにくい
   ・台木利用により寿命が早い
   ・サッカーが出る
 
 パテント切れ品種の挿し木は一部では流通していますが、パテント品種を扱わせてもらっている生産者や店舗では常識的に販売しないと思います。扱っているのは大抵ブランドと直接付き合いのない店舗ではないでしょうか。また、消費者の側も「挿し木苗は生育が遅い」と思っていることもあり、需要もあまりないようです(でも、よく育った挿し木苗であれば高価でも価値があると思います…)。

 ネットバラ苗店はパテント最新品種の仕入れや自家生産、オリジナル品種販売を安価で大量に扱うことで注目を集めています。これもまた賢い経営手法であって、バラを初めて育ててみようという初心者を多く取り込むことでバラ界に貢献しています。

 一方で、ネット媒体の小規模販売店もあります。品質は高いものの、品種が限られていたり在庫が切れていたりという不便もありますし、場合によっては不親切で悪質な業者に当たる可能性もあります。消費者はどこでどのように購入するかをよく吟味し、納得して購入する必要があります。

 話を戻しますが、私は挿し木苗を好んで購入しています。サイズが小さい方が鉢管理がしやすいし、ゆっくり成長を楽しむことができます。品種によっては芽接ぎしてしまうと真横にシュートが出て暴れるので、ベランダには適しません。パテントの関係で挿し木が手に入らないものは大苗を購入し、地植えにします(そして個人で楽しむ範囲で挿し木を作ります)。植え付け時に深植えして早い年数のうちに自根を出させてしまえばいいかなと思います。自根が出てしまえばシュートも出やすく癌腫にもかかりづらくなり、カミキリムシ被害が致命傷になりにくいように思います。

 以上、今回の記事は個人の趣味の範囲での考えなので、専門的な議論をする気はありません。栽培なさる方は自身で考えて、最適な方法を選択してください。

2018/03/29

挿し木(ロックウール/水挿し)

挿し木をいろいろやってみた雑感をまとめてみました。

【現時点でのベストな方法】
1、紙コップの底に穴を開ける。土が詰まりやすいので穴は大きめにする。
  本数も少なく、そのまま育てるなら底面給水鉢やスリット鉢+鉢皿がよい。

2、赤玉土中粒を下に入れ、挿し穂を入れる。

3、上に赤玉土小粒(中粒を砕いてもよい)を入れる。

4、ミリオンまたはハイフレッシュを少しかける。

5、水をかけ、挿し穂の周りの土を押し込んで密着させる。

6、簡易温室に入れるか、隙間をあけてラップをかける。
 (さらに大きい容器に入れてラップをしてもよい)
  乾燥しづらいと思うが、乾かないように水やりをする。
  底面給水鉢やスリット鉢+鉢皿が管理しやすい。水がなくなったら足すようにする。
 (ミリオン等をかけていればほぼ腐らないので大丈夫)

7、明るい日陰など目立たない所に置いて放置。
 (春夏秋の温かい頃は半月、冬は1月~2月くらいで発根)

*ミニバラやつるバラなど生命力の強いものは肥料土や直射日光でもつく
*発根部分に土が密着していることと乾燥させないことが大切


【ロックウール】
*ジフィーセブンは中央のピート部分が柔らかすぎて安定しない

1、芽のすぐ上でカットした剪定枝〈斜めまたはV字カット〉を複数用意する。
   ・細いと根が出やすいが発根後の成長は遅い
   ・太いと根が出づらいが発根後の成長が早い

2、ロックウールの穴を挿し木の太さに合わせ、濡らす。
  (枝で穴を開けると発根部分が傷む可能性がある)

3、ロックウールに挿す。
  挿し木の切り口が空気にさらされていたら、挿す直前に水切りする。
  (切ってすぐ濡らしたロックウールに挿しても構わない)
  ルートンは使用しなくても問題ない。

4、トレイ(強度のあるもの)にハイフレッシュかミリオンを加えた水をはって入れる。
  水を切らさないように注ぎ足していく(下が5mm程度つかる状態)。
  水は入れかえなくてよい(かえてもいいが極力触れない)。
   ・屋内の光が入る場所(非直射日光)または屋外の日陰に置く
     →日光がないと色素の抜けた芽が出る
     →温度が低いと発根に時間がかかる
     →暗所で管理して1ヶ月後に屋外日陰に出しても発根した
   ・空気穴をあけた箱(完全に光を遮断しないもの)をかぶせると水が汚れない
     →湿度を保つと発根しやすい
     →直射日光があたると失敗しやすい
      (根から吸水できない状態で蒸散過剰になると枯れやすくなる)

5、温度が15℃以上あれば1ヶ月、低温であれば2ヶ月程度で発根する。
  ロックウールの下面から白く太い根が出たら成功。
     →ロックウールを持ち上げると穴が緩むので触らない
     →触ることにより細い根が切れて失敗する
     →発根後は持ち上げても大丈夫

6、発根後しばらく様子をみて、1週間後あたりに鉢上げする。
  3号以上のビニールポット・の底に網・赤玉土を敷き通常の培養土を薄く入れる。
  ロックウールごと入れて静かに培養土をかぶせる。
  ポットカバー(ビニールポットを持ち上げると根が切れやすい)に入れる。
     →ロックウールは鉢増しまでついたままでよい(根を傷める)
     →発根したものだけ鉢上げするので土が無駄にならない
     →ロックウールの埋め方が浅いと挿し木が風で倒れやすい
     →ビニールポットにははさみでスリットを入れておくと根腐れしにくい

7、最初のうちは通常苗の管理よりも頻繁に水を与える。
  少しずつ日光に当てるようにする。
     →鉢皿に黒いトレイ(弁当用)などを利用すると
      底が湿っているのがわかりやすい
     →鉢がスリット状態の場合はひたひたにして大丈夫


 ロックウールに挿した状態。枝が変色するまで気長に待つ。一度確認して発根していないものは半月ほど触れずに様子を見る。
 これ以上芽が動いてもなお発根しないものは期待薄。


 発根すると底から白根が出てくる(水に浸かっているのであわてなくてよい)。
 水挿しと同じやり方といえるが、ロックウールの方が発根後の鉢上げで根に負担がかからない。



 鉢上げ後の様子。ビニールポットのままは土が動きやすいのであまりよくない。プラの3号ポット10個セットが安価で売っている。
 鉢が小さいからといって水やりしすぎない。土表面に緑の苔のようなものが出たら控える。
 急に日光に当たった場合は葉に霧吹きする。


2018/04/21【経過報告】
ロンサールの挿し木 グランヴィル挿し木

2018/04/26

 グランヴィルの生育がいいものを6号に鉢増し(チャーハン土なので鉢替え状態)。
 根腐れに注意する。肥料はなし。

2018/06/02

 右がロンサール、左がグランヴィル。


 ジュードは問題なくついたもよう。

2018/06/28
 一度切り戻した後のグランヴィル(左)とロンサール(右)。
 どちらも新芽が出てきたが、ロンサールはベーサルっぽいものも出てきた。
 新芽が伸びる時期は少しでも水が不足すると芽がだめになってしまうので難しい。特に春は鉢土の乾きもそこまで早くない。
 大苗を育ててみた感じ、根も芽も育てたい場合は不織布をかぶせて乾き気味にしておくのがいいかもしれない。

2018/07/02



【水挿し】
 逐次観察できるが発根後の生育が遅い気がする。挿し穂を取ったらすぐハイフレッシュかミリオンを溶かした水に挿す。この時、壺状の入れ物(湿気が保てるからか)か、少し高さのある瓶(蓋なし)に全体が入り切る形で入れておくと、風で飛ばされることも乾燥することもないように思う。カルスが出た状態で挿してもそこそこ成功するが、カルスは発根を妨げる傾向にあるようなのできちんと発根してから鉢上げした方がいいかもしれない。
 明るい日陰が安心だが、強健種は多少日光に当たっても問題ない(自己責任で)。ちなみに腐敗っぽい白いもやが根にまとわりつくが、カルス前段階なので洗ってはいけない。

 鉢上げは4号スリット鉢に、鉢皿に少し水をためた状態にするとよい。土は赤玉など無菌のものが望ましいが、最近は面倒なので質のいいバラ培養土にハイフレッシュを加えて直接鉢上げしている。おそらく浸透圧の問題で肥料分が害になるので、鉢皿+スリット鉢で通気性と湿度を保てば確率は高くなるのではないかと思う(自己責任で)。
 無肥料の土の場合、植え付けの状態で底にマグァンプKを混ぜ込んでもいい気がする。メーカーのHPを見る限り、発根に応じて肥料分を滲出する方式なので養生中の株でも大丈夫なのではないかと思う。下半分培養土、上半分種まき土にしている人もいるのでいけそうな気はする。

2018/07/05
 水挿しで発根確認後に植えた挿し木群。
 水挿しの器は、上が細くなったミニペットボトル型が1番よさそうだった(虫やゴミが入りにくいからか)。広くてもマスキングテープなどで塞いでおけば同じ環境になる。
 直射日光はもちろん、風が当たるとなかなかうまくいかない。ベランダの角が最適らしい。
 なくてもよいが、カビがいやなのでハイフレッシュを入れて水挿し。

 都内は強風続きで、ボスコベルの葉は飛んで行った。

 ジェキルは割合弱そう。少し黒点にかかったかもしれない。

 ジュードは挿し木時の葉がまだ衰えない。

 1番最後に挿したグリーンアイスはミニバラはだからか、あっという間についてしまった。
 水挿しカルスの様子。

2018/07/22
 角6号鉢上がロンサール、下がグランヴィル。
 ボスコベル、ジュード、ジェキル、グリーンアイス。
 ボスコベルは夏の不在時に預けたところ枯れてしまった。
 挿し穂を新しくしてやり直し中(直後にやったものも強風で吹っ飛んでだめになってしまった)。

2018/09/16

 左がロンサール、右がグランヴィル。芽かきした後。IBとオルトランDX。 

 左上:ジュード、右上:ジェキル、左下:グリーンアイス。ジェキルは2本死んでしまったので中央に植え直し。グリーンアイスもスリット鉢に鉢増し。

20181024
ジュード・グリーンアイス・ジェキルの挿し木。

 左はボスコベルの挿し木。中央は水挿しでまだ発根しないもの。
 右はピンクグリーンアイスの挿し木。
 ボスコベルは挿し木の確率がやたら低い。一番いい時期の挿し木をだめにしたせいかもしれない。

20181201
 右上から時計回りにスイートチャリオット、グリーンアイス、謎苗、ジュード(2株植えだったので分離した小さい方)。
 スリット鉢でひたひたにしておいたのでシュートがさかんにのびた。そろそろ凍結時期なので水を減らす予定。
 謎苗が少々肥料焼け。厳冬までにある程度枝葉を繁らせようとしてのことだが、注意が必要。

 ジュードの大きい方。肥培した理由は晴天・水豊富にもかかわらずジュードがブラインドだらけになったことにあるが、肥料を多く与えたにもかかわらず全く焼けがない。 

 ジェキルは春先の感じで多少過酷でもブラインドしなかったこともあってか、肥料焼けした。放任でいいようだ。

 グリーンアイスの挿し木はマグァンプKにしてから非常に調子よく花芽をつけている。通常のIBや液肥だと葉だけが繁る感じだったが、肥料の相性か。

 剪定して挿したピンクグリーンアイス。
 付いたような気がする?

【赤玉土】
20190329
 実家でも余った剪定枝を赤玉土に挿したら8本すべて付いてしまった。剪定枝にエネルギーがあったのか、霜で浮いてしまって押し込んだり、西日の直射に遭ったりしても問題なかった(葉も少なく休眠期だったからか)。2月末でも発根していなかったので、途中から簡易温室に入れたのが良かったかもしれない。
 結論として、赤玉の団子挿し状態(濡れた小粒に挿した後押して密着させる)で水ひたひたが一番成功率がよい。軽く挿すと土との間に隙間ができるのか、確率がおちるか発根が遅い。
 水挿しでもよいが、置き場所によって水の汚れが気になるのと根がやや軟弱で鉢上げ後の成長が心もとないので、触らずに放置できるかどうかで自分に合った方法を選んだほうがよいかもしれない。また、水挿しは風の影響も受けやすいので、紙コップにミリオンを入れてラップをすると成功率が高まる気がする。

(※今後作業ごとに追加更新します)

2018/03/04

バラ栽培計画(2021改訂版)

【購入前の注意】
 バラ栽培初心者は後先考えずに衝動買いしてしまうことが多いようです。買う前に考えるべきだったな、と思うことをまとめました。


1 環境
・最終的に10号まで育った鉢を置く場所があるか・地植えの場合、育った時のことを考えてスペースを取れるか
・1年中日あたりはいいか(冬は日ざしが斜めに入るが、夏はほぼ真上になるので北・南向きベランダは絶望的)日あたりがわるいとうどんこ病の根絶は厳しく、狭いベランダで室外機の風があたりやすいとハダニの被害は避けられない(風に乗って飛ぶので、付近の植物も全て被害にあう)
・戸建ての場合は鉢植えにコンクリートなどの照り返し対策はできるか(土でない場合、鉢台やポットフット・すのこ・ウッドデッキなどがないと厳しい)
・土作業できるスペースがあるか・土や剪定枝をどうやって処分するか(つるバラはトゲだらけのごんぶとのシュートがばんばん出るので、積極的に処分できないと厳しい)
・ガーデニング用品(用具や薬剤・土・肥料など)の置き場所はあるか、避難経路を塞いでいないか(マンションなどはベランダが共有部分なので塞ぐのは禁止)
・散水栓がない場合、対応できる数か(ジョウロは時間がかかる)、水やりした場合鉢底から抜ける水がベランダを汚す可能性を考えているか(土が排水溝につまる)

2 レイアウト
・色の組み合わせ・クレマチスなども含め開花時期が合うか(早咲き・遅咲き)、一季咲きか四季咲きか
・地植えの場合、1株でいいのか(素人は種類を買いがちだが、バラ園は見栄え重視で2~3株植えにしている)

3 用途
・枝が固く誘引しづらい(オベリスクに巻けない)、花首が長すぎる(高いところで咲いてしまう)、花もちが悪い、樹形がわるい(ぐちゃぐちゃに咲いてしまう)、トゲが多い、巨大化する、バッサリ散るなど特徴はさまざま
 花首が長いバラは花束に、掃除しにくい場所には花弁が散りにくいバラ、という工夫が必要


 バラを栽培したいというのはマメな方が多いと思いますが、肥料・花がら処理・剪定処理・害虫駆除・鉢増しや植え替えなどコンスタントに作業があります。手入れできない数を買わないようにしましょう。また、一つ一つの花容が素敵なバラでも、庭造りのバランスで考えると見劣りするバラというのは多いです。バラ園での開花の様子や殿堂入りのバラについてよくよく吟味して購入することをおすすめします。


【備品】
液体肥料:ハイポネックス原液(6-10-5)または
     花工場(5-10-5) リン酸重視
     ハイグレード開花促進(0-6-4)もおすすめ
活力剤+補助:リキダス
       ハイフレッシュ
       メネデール
害虫対策:①アタックワンAL・スミチオン+ダイン と
     ②ベニカXガード のローテーション
培養土類:①バラの家オーガニック培養土+ベラボンM
     ②¥1000以上の培養土+荒目の川砂
      2つのいずれか
ポット:スリット5号~8号または素焼き鉢

裸苗・大苗・新苗・中苗など、苗の種類についてはこちらをご覧ください。


【栽培計画の例/暖地】
1月 風注意 元肥(植え付け時のみ)
 裸苗はすぐに植え付ける。購入した大苗が届いても、よほど問題がない限り剪定はしない(寒風で芽が枯れ込んだ時の保険として下の芽を残しておきたい)。施肥もしない。腐葉土はおすすめ。切り口に念のためトップジンなど癒合剤を塗っておくとよい。

 地植えは植え付け時のみ2日ほど水をしっかりやる。どれくらい水を与えたかわかるようにバケツ推奨(シャワーだと500mlくらいしかやれていないことに気づかない人が多い。バケツ2杯くらいは必要)。それ以降は1ヶ月以上雨が降らなかった場合は与える。

 鉢植えの水やりは7~10日に1回程度。鉢皿を用いている場合は底から少量出ただけで水をやった気になりやすいので注意。最低でも鉢皿になみなみ1杯の水を捨てるくらい与える。ただしDA社の土はかなり水保ちがいいので2週間以上水やりが不要の可能性がある。この場合、鉢を持ち上げて軽くなっているかどうか確かめる方法がよい。
 水は午前中に与える(夕方与えると鉢内の水が凍結する)。冬場は強風や湿度の関係で乾燥しやすく、芽も傷みやすいので日光を遮らない不織布をかけておくのがおすすめ。根の活着のため乾かし気味にすると根の活着自体はいいが、芽に必要な水の吸い上げが不足しがちなので芽の乾燥には気をつける。



2月 風注意 元肥(有機肥料)
 1月と同様に管理する。とにかくよく陽に当てる。
 下旬になったら剪定する。枯れ込んだ枝や樹形の悪い部分を整理して癒合剤を塗る。関東以西は下旬に施肥(芽出し)。この時期の施肥が花つきに影響する。

3月 置肥 液肥
 冷え込みや強風がおさまり、日照により葉が展開している場合は不織布を取る。中旬までには必ず取る(芽が引っかかって取れてしまう)。
 固形の施肥だけでなく液肥も補助的に与える。展開した葉を殺虫消毒する。4月になるとアブラムシなどもつきはじめるので下旬にはオルトラン・ダイアジノン・ベニカXガードなどをまく。
 この時期は前月より水やり頻度を上げる。展開した葉の分蒸散が増えるので水不足になる。また、鉢内の肥料濃度が上がらないように水不足には気をつける(根が傷む)。

4月 殺虫剤(粒剤) 置肥 液肥
 水やり頻度が一気にあがるが、温度上昇や強風も続くので注意する。急に晴天になった日は葉水(ニーム水や活力剤水がおすすめ、場合によっては液肥の葉面散布でもいい)をする。急な強風は室内に取り込むか風よけする。葉面散布はしすぎると葉が肥大化する。
 画像は真夏の地植え直射対策だが、もう少し下まで覆うと台風や強風対策にもなる。支柱は4本を上で束ねたもの。

 

 この時期鉢植えの水やりは増えるが、意外に雨天も多い(日照が悪い)ので水を与えすぎると徒長する。天気予報に注意して適切な水やりをする。また、急な冷え込みがくるとブラインドしやすい品種もあるので、日当たり・施肥・水やりのバランスを取って株の体力を保っておく必要がある。急な冷え込みは対策ができるのであれば加温していない部屋に取り込むなどするとよい。
 また、新苗でよく見る「摘蕾」については、この時期大苗には行わないこと。3月の芽出し時点で蕾数が確定するので、摘蕾すると蕾がつかないことが多い。意外に日照が悪く温度差もあって切り戻しを行ってもブラインド率が上がる。株の体力が気になる場合は咲きはじめてからカットするのがおすすめ。

5月(新苗販売期) 殺虫剤(スミチオン) 置肥 液肥
 気温があがるので鉢植えは水切れに注意。開花シーズンなので花がらの処理は随時行う。新苗は摘蕾するか、咲いたら早めに切るようにする。日あたりがよすぎると乾燥してハダニがつきやすくなるので鉢植えは水多めか葉水をする。害虫もつきやすくなるのでオルトランなど粒剤を撒き、蕾に殺虫スプレーをするとよい。風通しの悪い場所は殺菌スプレーをする(大体のスプレー剤は両方の用途をカバーしている)。リンカリ液肥を忘れない(開花シーズンは奇形にならないよう窒素を控える)。
 5月でも天候不順の年が増えてきたので、開花を楽しみたいのであれば雨除け(タープやビニールなど)も検討する。

 鉢植えは水切れが早くなってきたら切り戻しのタイミングで鉢増しする。スリット鉢の場合は鉢皿に水をため気味にすればしのげるが、水が多めだと根の成長がよくないので大きく育てたい場合は水切れしない程度の鉢に替える。根が回った状態でむりやり育てるとその後の生育が悪くなるので必ずする(抜いてみて根が回っていなければ元に戻す)。新苗は抜いてみて根が回っていたら8号~10号にする。
 ただ、天候不順の年は雨ざらしになるので梅雨の終わり近くまで替えないほうがいい。

6月 殺虫剤(粒剤) 置肥 液肥 花がら処理 鉢増し
 開花後は置肥をし、微粉ハイポネックスなど不足要素を補えるものを与える。梅雨時季なのでミリオンやハイフレッシュを与えるのもよい。
 地植えは病害虫が増えるので、薬剤を散布するか泥はね防止でマルチングを検討する。株元に虫を寄せやすい植物・雑草が生えないようにする(虫が媒介する病気は多い)。
 地植えの3本支柱や鉢植えのオベリスクの上部に不織布で雨除けするのも効果的。黒点に弱くない品種はハダニ除けで雨ざらしのほうがいいかもしれない。
 病気が発生した株や剪定枝・花がらは不用意に元気なバラの近くに置かないようにする。

 梅雨明けが近くなったら猛暑に向けて管理しやすい鉢を選ぶ。鉢増しを遅らせて根が回っているものはスリット・素焼きは+2号くらいがよい。水切れしやすくなってきたら鉢皿に水をためておき、水やりのタイミングまでに鉢皿が乾いているバランスがよい。

 水やりは朝が理想かもしれないが、近年のゲリラ豪雨を考えると夕方のほうがいい(夕方降ったら水やりが少なくて済む)。ただし葉が茂っていると降雨があっても鉢の中まで水が浸透していないこともあるので確認はするようにする。

7月 殺虫剤(スミチオン) 置肥 液肥 適宜消毒
 地植えは株元が乾燥しないようにマルチングか盛り土しておく(台木のまま育てたい場合は盛り土をしないほうがよい)。高畝深植えにしておくと自根でよく育つ。癌腫がいやなのでうちは台木を埋めてしまって自根を出させている。分岐部分やシュートが地中から出ていると、カミキリムシの被害でも生き残りやすい。

 コンクリートや金属の上は高温になるので木製のもので照り返しを遮る(すのこ)などして対策する。梅雨明けするとハダニが発生するので、毎日葉裏まで水をかけるようにする(うちでは殺ダニ剤を使用していない。葉水かコーヒー液噴霧で対応)。

 8月が近くなると夏剪定の計画をたてることになるが、個人的には細くて生育の悪い枝を分岐で切るくらいでいいように思う。成長の遅い品種は調子をくずすこともあるので、花を咲かせそうな枝をこまめに切り戻すようにする。成長が早く高さが出て邪魔な品種は強めに切り戻す。

8月 下旬夏剪定 殺虫剤(粒剤)
 夏剪定をする場合はお盆明けから月末にかけて実施。高さを揃えるのではなく、太さを揃えないと咲き揃わないので7月から軽い切り戻しのタイミングで合わせておく。全体を丸く切っても揃わないので、日差しに向けて段になるように(手前を深めにする)切る。

 調子が悪い場合はとにかく殺虫殺菌を徹底する。葉がないと光合成できず、根も成長せず調子は戻らないので、これから出てくる葉をいかに守るかを考える。日ざしが強すぎる場合は支柱と不織布で遮光する(風通しが悪くならないように注意)。

 水やりは基本夕方にたっぷりやる。植物は早朝から光合成するので朝にする場合は6時くらいまで。水切れが早い場合は鉢増しするか、朝夕2回やるようにする。とにかく照り返しが害なので、鉢の温度が上がりやすい場所には置かない。朝から夕方までずっと日があたる場所も避ける(夕方の西陽は光合成の時間帯ではないので負担が大きい)。

 この時期、不調なバラにコガネムシの食害が起こると絶望的なので、オルトランやダイアジノン、ベニカXガードなど粒剤をまくようにする。
 
9月(中苗販売時期) 殺虫剤(スミチオン) 置肥 液肥 適宜消毒
 台風に備えて倒れづらい鉢やレイアウトを考える。隣家との間や車庫など風の被害を避けられる場所、可能なら屋内取り込みの計画を立てる。移動が不可能な場合は支柱やフェンスに枝を固定、上から不織布でくるんでおくのもよい。さらに寄せ鉢にしておくと被害も少ない。鉢植えで多少の枝折れを気にしない場合は、はじめから地面に倒しておく。

 台風後は水やりではない目的として、シャワーで株全体を洗う。台風は塩分を運んでくることも多いので、病気や塩害を防ぐ意味でもやったほうがいい。

 バラの家などでは「中苗」と称する販売があるが、新苗の育ったものが新苗サイズの鉢で送られてくるので、届いたらすぐに鉢増しする。台風や長雨など日照がわるい地域ではこの時期に購入するメリットはないように思う(珍しい品種なら・・・)。セール品は在庫ダブつきの掘り出し物もあるが、生育がわるい・病歴あり・花の発色や形ががわるい・樹形がわるい、香りがない、などの個体差のデメリットを覚悟して買う。販売店は状態のいい苗から出荷しているので、残るのはそれなりの理由があることが多い。

10月 殺虫剤(粒剤)置肥 液肥
 秋の開花への生育期。9月の日照が悪かった場合はブラインド率が高くなる。日照不足を補う商品(ペンタガーデン)などもある。うちではブラインド枝は放置か軽く切り戻している。開花時の作業としては5月と同じ。

11月 置肥 液肥 適宜消毒
 開花が続いているものもあるので、花後の切り戻しをきちんとする。光合成させたいので切りすぎて葉を減らさないようにする。肥料もきちんと与える。

12月
 光合成させておく。寒さで成長が止まったものは肥料を与えないようにする。まだ気温が下がりきっていないので、剪定したり葉をとったりしないようにする。この時期にすると、春を待たずに新芽が出てしまい、エネルギーの無駄遣いになる。

 買った大苗・裸苗が到着してしまった場合はそのまま育てる。裸苗は乾燥してしまうのですぐに植えつける(水をやりすぎない。根が張っていないので晴天でよほど乾燥しない限り1週間に1回くらい)。
 芽が出てきた場合は水やりよりも新芽の乾燥に気をつける。乾燥すると芽が枯れるので、スプレーで葉水でもよいが不織布で風を防ぐのがおすすめ。大苗は届いた時点で茂っている場合があるが(おそらく2年生大苗などすでに細根が張っているもの)、むしったりしないでそのままよく日にあてて育てる。通常の1年生大苗は畑から掘り上げる時に根を切っているので、地上部も短く剪定されている。裸苗とほぼ変わらない状態なので同じように育てる。
 店舗によっては発送を遅らせてくれるところもあるので、可能であれば初心者は2月以降に送ってもらうとよい(正月の帰省も気にしなくてよくなる)。


【参考】
 以前書いた記事を格納してしまったのでこちらに移動しました。考察カテゴリの肥料についてもお役立ていただければと思います。調べるの大変だったので。

兼弥産業株式会社

スリット鉢(CSM)*縁に返しがないタイプ
 CSM-60 外径 6.0 底径 4.5 高さ 5.6      約0.1L 2号
 CSM-75 外径 7.5 底径 5.5 高さ 6.7      約0.2L 2.5号
 CSM-90 外径 9.0 底径 6.0 高さ 7.5      約0.3L 3号
 CSM-105 外径 10.5 底径 7.5 高さ 9.0      約0.5L 3.5号
 CSM-120 外径 12.0 底径 8.0 高さ 10.0   約0.6L 4号
 CSM-135 外径 13.5 底径 9.5 高さ 10.8   約0.9L 4.5号
 CSM-150 外径 15.0 底径 11.0 高さ 12.5 約1.4L 5号
 CSM-180 外径 18.0 底径 14.5 高さ 15.8 約2.5L 6号
 CSM-210 外径 20.5 底径 17.5 高さ 18.6 約4.3L 7号
 CSM-240 外径 24.0 底径 19.5 高さ 21.0 約6.1L 8号
 CSM-270 外径 27.0 底径 22.0 高さ 23.6 約8.8L 9号
 CSM-300 外径 30.0 底径 25.5 高さ 26.5 約12.8L 10号
 CSM-400 外径 40.0 底径 33.5 高さ 33.3 約30.0L 13.3号 
ロングスリット鉢(CSM-L)*縁に返しがないタイプ
 CSM-120L 外径 11.5 底径 8.0 高さ 13.6 約1.3L 4号
 CSM-150L 外径 15.0 底径 11.8 高さ 17.0 約1.9L 5号
 CSM-180L 外径 18.0 底径 13.4 高さ 20.5 約3.5L 6号
 CSM-210L 外径 21.0 底径 16.6 高さ 25.0 約5.1L 7号
 CSM-240L 外径 24.0 底径 18.5 高さ 27.4 約8.6L 8号
スリット鉢(CSC)*縁に返しがあるタイプ
 CSC-30 外径 9.0 底径 6.1 高さ 7.9 320 約0.3L  3号
 CSC-35 外径 10.5 底径 7.0 高さ 9.6 210 約0.5L 3.5号
 CSC-40 外径 12.5 底径 8.5 高さ 10.6 180 約0.8L 4号~
 CSC-45 外径 14.0 底径 10.0 高さ 12.0 150 約1.0L 4号 ~
 CSC-50 外径 15.6 底径 10.5 高さ 13.3 80 約1.4L   5号~
 CSC-60 外径 19.0 底径 13.0 高さ 16.4 50 約2.4L   6号~
 CSC-70 外径 22.0 底径 15.2 高さ 20.0 40 約4.0L   7.5号~
ロングスリット鉢(CSK)*縁に返しがあるタイプ
 CSK-180 外径 18.0 底径 11.5 高さ 20.0 40 約2.3L 6号
 CSK-210 外径 20.7 底径 13.1 高さ 23.0 30 約3.2L 7号
 CSK-240 外径 23.7 底径 16.0 高さ 25.0 25 約5.2L 8号
 CSK-300 外径 31.5 底径 22.0 高さ 32.6 10 約13.0L 10号
 バリエーションがすごいです。ロングスリット8号のあとはただのスリット10号・13.3号しか選択肢はありませんね。

2017/09/30

肥料と活力剤

 肥料や活力剤の成分を調べました。(*N=窒素 P=リン酸 K=カリウム Mg=マグネシウム)

【肥料】

   ハイポネックス 原液        有効成分:チッソ6・リンサン10・カリ5
   ハイポネックス ハイグレード バラ 有効成分:チッソ4・リンサン6・カリ6
   ハイグレード開花促進        有効成分:チッソ0・リンサン6・カリ4
                      ビタミン・高純度天然糖質(トレハロース)配合
   微粉ハイポネックス         有効成分:チッソ6.5・リンサン6・カリ19
   ハイポネックスローズ元肥      有効成分:チッソ3・リンサン9・カリ7・マグ2
   ハイポネックスローズ液肥      有効成分:チッソ4・リンサン6・カリ6


   マグァンプK           有効成分:チッソ6・リンサン40・カリ6・マグ15
   マグァンプⅢBB          有効成分:チッソ7・リンサン23・カリ6
                               マグ7・ホウ0.05


   バイオゴールドセレクション薔薇  有効成分:チッソ5・リンサン8・カリ5
                               +α(天然ミネラル)

   ローズフード(プロトリーフ DavidAustin) 有効成分:チッソ7・リンサン6・カリ9
       *主原材:植物油かす類、硫酸加里、動物かす粉末類化成肥料、混合有機質肥料、
       硫酸アンモニア加工苦土肥料、魚粉類、溶成微量要素肥料


   バラの家IB肥料          有効成分:チッソ10・リンサン10・カリ10・マグ1
   プレミアローズ オーガニック肥料 有効成分:チッソ3.9・リンサン2.6・カリ3.8


【活力剤】

   リキダス       有効成分:コリン、フルボ酸、アミノ酸、カル、
                      鉄・銅・亜鉛・モリブデン
   メネデール      有効成分:2価鉄(Fe++)
   ミリオン       有効成分:珪酸、アルミ、鉄、ナト、カルシウム、カリ、マグ
   ハイフレッシュ    有効成分:ケイ素70.28・アルミ15.27・マグ2.39・第二鉄1.29
                        カル0.49・チタン0.07・揮発9.56・他微量要素16種

 プレミアローズ オーガニック肥料ってネット上に成分表示ないんですね。袋の裏に表示がありました。基本的に表示成分以外も含まれるのであくまで参考です。

 薔薇の花にはチッソ過多はよくない(うどん粉やブルヘッドを発症しやすくなる)ようで、リン酸は豊富に与えてもいい(葉に凹凸ができる以外に目立った副作用がない)ようです。

 ある程度使ってみて、基本はマグァンプK(中粒)でいこうと思っています。初夏は微粉ハイポネックス、場合に応じてハイグレード開花促進を加え、冬になったら実家の草木灰、腐葉土、堆肥を入れます。リキダスとハイフレッシュを使いましたが、挿し木にも使えるのでミリオンかハイフレッシュだけでいいかな。手に入ったらバラようリンを試してみます。