2018/03/29

挿し木(ロックウール/水挿し)

挿し木をいろいろやってみた雑感をまとめてみました。

【現時点でのベストな方法】
1、紙コップの底に穴を開ける。土が詰まりやすいので穴は大きめにする。
  本数も少なく、そのまま育てるなら底面給水鉢やスリット鉢+鉢皿がよい。

2、赤玉土中粒を下に入れ、挿し穂を入れる。

3、上に赤玉土小粒(中粒を砕いてもよい)を入れる。

4、ミリオンまたはハイフレッシュを少しかける。

5、水をかけ、挿し穂の周りの土を押し込んで密着させる。

6、簡易温室に入れるか、隙間をあけてラップをかける。
 (さらに大きい容器に入れてラップをしてもよい)
  乾燥しづらいと思うが、乾かないように水やりをする。
  底面給水鉢やスリット鉢+鉢皿が管理しやすい。水がなくなったら足すようにする。
 (ミリオン等をかけていればほぼ腐らないので大丈夫)

7、明るい日陰など目立たない所に置いて放置。
 (春夏秋の温かい頃は半月、冬は1月~2月くらいで発根)

*ミニバラやつるバラなど生命力の強いものは肥料土や直射日光でもつく
*発根部分に土が密着していることと乾燥させないことが大切


【ロックウール】
*ジフィーセブンは中央のピート部分が柔らかすぎて安定しない

1、芽のすぐ上でカットした剪定枝〈斜めまたはV字カット〉を複数用意する。
   ・細いと根が出やすいが発根後の成長は遅い
   ・太いと根が出づらいが発根後の成長が早い

2、ロックウールの穴を挿し木の太さに合わせ、濡らす。
  (枝で穴を開けると発根部分が傷む可能性がある)

3、ロックウールに挿す。
  挿し木の切り口が空気にさらされていたら、挿す直前に水切りする。
  (切ってすぐ濡らしたロックウールに挿しても構わない)
  ルートンは使用しなくても問題ない。

4、トレイ(強度のあるもの)にハイフレッシュかミリオンを加えた水をはって入れる。
  水を切らさないように注ぎ足していく(下が5mm程度つかる状態)。
  水は入れかえなくてよい(かえてもいいが極力触れない)。
   ・屋内の光が入る場所(非直射日光)または屋外の日陰に置く
     →日光がないと色素の抜けた芽が出る
     →温度が低いと発根に時間がかかる
     →暗所で管理して1ヶ月後に屋外日陰に出しても発根した
   ・空気穴をあけた箱(完全に光を遮断しないもの)をかぶせると水が汚れない
     →湿度を保つと発根しやすい
     →直射日光があたると失敗しやすい
      (根から吸水できない状態で蒸散過剰になると枯れやすくなる)

5、温度が15℃以上あれば1ヶ月、低温であれば2ヶ月程度で発根する。
  ロックウールの下面から白く太い根が出たら成功。
     →ロックウールを持ち上げると穴が緩むので触らない
     →触ることにより細い根が切れて失敗する
     →発根後は持ち上げても大丈夫

6、発根後しばらく様子をみて、1週間後あたりに鉢上げする。
  3号以上のビニールポット・の底に網・赤玉土を敷き通常の培養土を薄く入れる。
  ロックウールごと入れて静かに培養土をかぶせる。
  ポットカバー(ビニールポットを持ち上げると根が切れやすい)に入れる。
     →ロックウールは鉢増しまでついたままでよい(根を傷める)
     →発根したものだけ鉢上げするので土が無駄にならない
     →ロックウールの埋め方が浅いと挿し木が風で倒れやすい
     →ビニールポットにははさみでスリットを入れておくと根腐れしにくい

7、最初のうちは通常苗の管理よりも頻繁に水を与える。
  少しずつ日光に当てるようにする。
     →鉢皿に黒いトレイ(弁当用)などを利用すると
      底が湿っているのがわかりやすい
     →鉢がスリット状態の場合はひたひたにして大丈夫


 ロックウールに挿した状態。枝が変色するまで気長に待つ。一度確認して発根していないものは半月ほど触れずに様子を見る。
 これ以上芽が動いてもなお発根しないものは期待薄。


 発根すると底から白根が出てくる(水に浸かっているのであわてなくてよい)。
 水挿しと同じやり方といえるが、ロックウールの方が発根後の鉢上げで根に負担がかからない。



 鉢上げ後の様子。ビニールポットのままは土が動きやすいのであまりよくない。プラの3号ポット10個セットが安価で売っている。
 鉢が小さいからといって水やりしすぎない。土表面に緑の苔のようなものが出たら控える。
 急に日光に当たった場合は葉に霧吹きする。


2018/04/21【経過報告】
ロンサールの挿し木 グランヴィル挿し木

2018/04/26

 グランヴィルの生育がいいものを6号に鉢増し(チャーハン土なので鉢替え状態)。
 根腐れに注意する。肥料はなし。

2018/06/02

 右がロンサール、左がグランヴィル。


 ジュードは問題なくついたもよう。

2018/06/28
 一度切り戻した後のグランヴィル(左)とロンサール(右)。
 どちらも新芽が出てきたが、ロンサールはベーサルっぽいものも出てきた。
 新芽が伸びる時期は少しでも水が不足すると芽がだめになってしまうので難しい。特に春は鉢土の乾きもそこまで早くない。
 大苗を育ててみた感じ、根も芽も育てたい場合は不織布をかぶせて乾き気味にしておくのがいいかもしれない。

2018/07/02



【水挿し】
 逐次観察できるが発根後の生育が遅い気がする。挿し穂を取ったらすぐハイフレッシュかミリオンを溶かした水に挿す。この時、壺状の入れ物(湿気が保てるからか)か、少し高さのある瓶(蓋なし)に全体が入り切る形で入れておくと、風で飛ばされることも乾燥することもないように思う。カルスが出た状態で挿してもそこそこ成功するが、カルスは発根を妨げる傾向にあるようなのできちんと発根してから鉢上げした方がいいかもしれない。
 明るい日陰が安心だが、強健種は多少日光に当たっても問題ない(自己責任で)。ちなみに腐敗っぽい白いもやが根にまとわりつくが、カルス前段階なので洗ってはいけない。

 鉢上げは4号スリット鉢に、鉢皿に少し水をためた状態にするとよい。土は赤玉など無菌のものが望ましいが、最近は面倒なので質のいいバラ培養土にハイフレッシュを加えて直接鉢上げしている。おそらく浸透圧の問題で肥料分が害になるので、鉢皿+スリット鉢で通気性と湿度を保てば確率は高くなるのではないかと思う(自己責任で)。
 無肥料の土の場合、植え付けの状態で底にマグァンプKを混ぜ込んでもいい気がする。メーカーのHPを見る限り、発根に応じて肥料分を滲出する方式なので養生中の株でも大丈夫なのではないかと思う。下半分培養土、上半分種まき土にしている人もいるのでいけそうな気はする。

2018/07/05
 水挿しで発根確認後に植えた挿し木群。
 水挿しの器は、上が細くなったミニペットボトル型が1番よさそうだった(虫やゴミが入りにくいからか)。広くてもマスキングテープなどで塞いでおけば同じ環境になる。
 直射日光はもちろん、風が当たるとなかなかうまくいかない。ベランダの角が最適らしい。
 なくてもよいが、カビがいやなのでハイフレッシュを入れて水挿し。

 都内は強風続きで、ボスコベルの葉は飛んで行った。

 ジェキルは割合弱そう。少し黒点にかかったかもしれない。

 ジュードは挿し木時の葉がまだ衰えない。

 1番最後に挿したグリーンアイスはミニバラはだからか、あっという間についてしまった。
 水挿しカルスの様子。

2018/07/22
 角6号鉢上がロンサール、下がグランヴィル。
 ボスコベル、ジュード、ジェキル、グリーンアイス。
 ボスコベルは夏の不在時に預けたところ枯れてしまった。
 挿し穂を新しくしてやり直し中(直後にやったものも強風で吹っ飛んでだめになってしまった)。

2018/09/16

 左がロンサール、右がグランヴィル。芽かきした後。IBとオルトランDX。 

 左上:ジュード、右上:ジェキル、左下:グリーンアイス。ジェキルは2本死んでしまったので中央に植え直し。グリーンアイスもスリット鉢に鉢増し。

20181024
ジュード・グリーンアイス・ジェキルの挿し木。

 左はボスコベルの挿し木。中央は水挿しでまだ発根しないもの。
 右はピンクグリーンアイスの挿し木。
 ボスコベルは挿し木の確率がやたら低い。一番いい時期の挿し木をだめにしたせいかもしれない。

20181201
 右上から時計回りにスイートチャリオット、グリーンアイス、謎苗、ジュード(2株植えだったので分離した小さい方)。
 スリット鉢でひたひたにしておいたのでシュートがさかんにのびた。そろそろ凍結時期なので水を減らす予定。
 謎苗が少々肥料焼け。厳冬までにある程度枝葉を繁らせようとしてのことだが、注意が必要。

 ジュードの大きい方。肥培した理由は晴天・水豊富にもかかわらずジュードがブラインドだらけになったことにあるが、肥料を多く与えたにもかかわらず全く焼けがない。 

 ジェキルは春先の感じで多少過酷でもブラインドしなかったこともあってか、肥料焼けした。放任でいいようだ。

 グリーンアイスの挿し木はマグァンプKにしてから非常に調子よく花芽をつけている。通常のIBや液肥だと葉だけが繁る感じだったが、肥料の相性か。

 剪定して挿したピンクグリーンアイス。
 付いたような気がする?

【赤玉土】
20190329
 実家でも余った剪定枝を赤玉土に挿したら8本すべて付いてしまった。剪定枝にエネルギーがあったのか、霜で浮いてしまって押し込んだり、西日の直射に遭ったりしても問題なかった(葉も少なく休眠期だったからか)。2月末でも発根していなかったので、途中から簡易温室に入れたのが良かったかもしれない。
 結論として、赤玉の団子挿し状態(濡れた小粒に挿した後押して密着させる)で水ひたひたが一番成功率がよい。軽く挿すと土との間に隙間ができるのか、確率がおちるか発根が遅い。
 水挿しでもよいが、置き場所によって水の汚れが気になるのと根がやや軟弱で鉢上げ後の成長が心もとないので、触らずに放置できるかどうかで自分に合った方法を選んだほうがよいかもしれない。また、水挿しは風の影響も受けやすいので、紙コップにミリオンを入れてラップをすると成功率が高まる気がする。

(※今後作業ごとに追加更新します)

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